
システム障害はなぜ二度起きたか

ITの現場技術者向けの書籍というよりも経営者向けの書籍です。
みずほ銀行は東日本大震災直後に振り込み遅延やATM停止といった大規模なシステム障害を起こしましたが、9年前の2002年にもみずほ銀行発足直後に大規模なシステム障害を起こしています。
これら2度のシステム障害の原因は、どちらも経営陣のIT軽視、IT理解不足に原因があり、9年前のシステム障害の教訓が全く活かされていないと断じています。
さらに、今回のシステム障害の原因を単純な「人的ミス」としているみずほ銀行の経営陣に対して、根本的な原因について全く自覚がないという点についても断じていて、このままでいずれ3度目の大規模システム障害も起こるだろうと述べています。
このようなリスクはみずほ銀行だけではなく多くの企業が抱えていて、みずほ銀行のシステム障害が他人事ではないということは、IT技術者であれば誰もが感じていることだと思います。
それにも関わらず、IT技術者が抱いている危機感に経営陣の多くが無関心であるという現実があります。
本書はITに関する知識が不足していてもたいへん読みやすいため、経営者に一読していただき、自社のこととして熟考していただきたいと思います。